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掲載記事(新聞・雑誌)

日本女性新聞 2005年1月1日 新聞

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崔 星福 花の個人展「かおり香気」
崔 星福 花の個人展「香気」が11月1日~6日、東京銀座2丁目のGINZA GALLERY HOUSEで開催された。後援=日本フラワーデザイン専門学校。
崔星福さんの花の個人展を初めて見る機会があった。韓国から5年前に来日、日本フラワーデザイン専門学校を2年前に卒業したという崔さんの、きわめて秀でた感性の人であろうことの経歴を一覧しその活動を通して得た受賞の数々もまた尋常ではない。
日本フラワーデザイン大賞(2003)、日本フラワーデザイン専門学校卒業展優秀賞(2003)、世界らん展2004最優秀賞、日本フラワーデザイン大賞(2004)など、FD界を総なめにしたような受賞歴である。本紙ではFD界のニュースは乏しいこともあって、崔さんのこれまでの輝かしい活動が報道されなかったことを残念の思う。「優秀な学生でした。ぜひ見てあげてください」という造形作家・稲木秀臣氏からの案内をいただき、会期ギリギリに崔さんの花の場に足を運んだ。
崔さんの初めての個人展という案内には「香気(かおり)」というサブタイトルがあった。香気は普通には香気(こうき)漂う、あるいは香気(こうき)などいった表現の形容動詞か形容詞で言葉が綴られるが、その香気を「かおり」と名詞で括ったサブタイトルに、崔さんの今回の個人展の香気があるように思えた。それは、作品に使った素材自体が発する内外質的なかおりでもあり、そのかおりと共感した作者自身のキャラクターが 漂わせるかおりでもあろう一体の<共感>を、作品の香気AからHまで展開させた崔さんの、繊細な仕事の中に切り込みのいい動きをも共鳴させた美しい花の場に、訪れた人たちも共感した話題を広げていた。崔さんの活動の経験はいけばなではなく、ほとんどがフラワーデザインの世界だが、FDの作品にありがちなシンメトリカルな取り組みから抜け出た、むしろ材質的なデザイン構成の中に、植物の生命的なコアをも運動させた取り組みの対比が今回の個人展では注目されるものだった。全8作の中で、特に注目させられたのは香気AとCの作品。長方形の黒い板のの面に、イグサだろうか細い茎を使ってクレーターのような窪みのある円型に編み込んだ大中小の造形をタテ位置に壁面に取りつけたAは、クレーターの低い目を射るように広がるヨツドメの真っ赤な実、その上からクレーター全体に人工雪(粉末)をかけて色彩の鮮度を増幅させたきわめて完成度の高い造形の手技として視野を染めていた。50Cmから1m余の細長い焼き板を、壁面の上下段に簀子のように前後配列構成、それを横長に配列して3、4mに延長させた上下の空間に枝垂柳.蔓梅擬.雲龍柳.よつどめ.山ごぼうの実.ばらの花などを横長に流動させた香気Cは、板面にランダムに取りつけたぜんまいのような細い枝の造形とがあいまった中で、木琴のようなリズム感を通して植物が再生されていくムーディな動きをこもらせたインスタレーションだった。崔さんは将来、活動の場を韓国に根拠地を置き、空間構成に視野を広げた活動を続けていきたいと語っていた。